昨年、GALAXY Tab(SC-01C)という7型タブレット端末を中古で買い、月額945円でSIMカードを提供するIIJmioのサービスを利用してきた。携帯電話は昔のものを4年越しで使っているので、同機種は「大きなスマホ」として重宝している。
GALAXY Tabはハードウェア性能も低くOSも古いままなので、Nexus 7(3G版)の購入を検討していた。その矢先、iPad miniを触る機会があり、その軽さに衝撃を受けた。GALAXY Tabが382g、iPad miniが312gと、2割ほどの差なのだが、持った感触はぜんぜん違う。非常に魅力的な端末だ。
軽さは正義。あまりに衝撃的だったので、Nexus 7が頭の中から吹き飛んで、後継機種が出たために大幅に値下がりしたGALAXY Note(SC-05D)をうっかり購入してしまった。こちらは5.3型・184gの端末で、まさに大きなスマホである。
数日間使ってみた感想は、まあまあ。良い点を述べると、(1)軽いため移動中の取り回しがGalaxy Tabよりも楽なこと。(2)付属アプリの「Sプランナー」というスケジューラーが使いやすいこと。(3)Wi-Fiのコネクションが速くなったこと、である。
ただ、7型に対する5.3型という画面寸法は少し力不足で、たとえばGalaxy TabはGmailの一覧表示で10件まで表示できる一方、Galaxy Noteは8件までとなる。また、1行に表示できる文字数もGalaxy Noteのほうが少ない。(これは、新しいAndroidの画面設計に空白が多いことも影響している。)
また、片手に足りず両手に余る筐体の大きさは、日本語入力が少々やっかいだ。片手でフリック入力するには広すぎて指の移動が負担に感じる。かといって両手で操作しようとすると、今度は狭すぎて両親指が喧嘩してしまう。難しいサイズだと思う。
今後1年間は7型端末が陸続と出現し、あっという間にコモディティ化が進むだろう。個人的には底値買いを楽しみつつ、面白いソリューションに期待したい。たとえばプレゼンなど、タブレット端末の内容をスクリーンに映して行いたいと思う。
2012年2月10日にPMI JapanとitSMF Japanとの合同シンポジウムが慶応大学日吉キャンパスで開催され、足を運んできた。PMIはプロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKを作成している団体、itSMFはITサービス運用のベストプラクティスであるITILに関連する団体である。
献立としては、挨拶・基調講演ののち、itSMFセッション、PMIセッション、パネルディスカッションと続く。
基調講演は、神庭さんが日本の情シス部門とSIerとに対して危機感を煽る内容だった。内容は大きく2点に集約される。
まず、企業の海外シフトは不可避のものであり、IT分野も決して例外ではない。一企業の中での他部門ですら競争相手となり、IBMがHDD事業やPC事業を切り捨てたように、比較劣位の部門は切り捨てられる可能性があること。誰とどこで競争するかベンチマークする相手を見つける必要がある(隣の部署でもよい)。
次に、現在の日本企業において0からの新規開発はほとんどなく、システム化の本丸は運用・保守にあることを認識すべしという話。問題は、IT部門が現在提供しているサービスとビジネスプロセスを深く理解していない点にある。外部コンサルがTo Be図を示したところで、システムごとに異なるエンティティをどうやってつなげるかが不明であれば、絵空事に終わってしまう。この点、ITILv3のSSは役に立たない。
私自身は、IT部門の縮小は避けられない傾向だと思っている。利に聡いビジネス部門がIT部門をすっ飛ばしてクラウドサービスを使おうとするのは、理にかなっている。その流れに抗おうとするか棹さそうとするかの違いは、会社自体の利益率にも影響を与えるだろう。
itSMFセッションの小林さんは損保業界に身を置く方で、特にIT部門の体制作りが参考になった。ITILの5つのライフサイクルのうちSDやSTは開発/運用が協業しなければ良質なサービスが提供できない半面、金融庁からの指導によって
開発/運用を分離させることを求められているため、その両立が肝となる。そのために、開発と運用との人事交流を活発化させることと、基盤を開発側ではなく運用側に置くことがポイントとして掲げられていた。また、強力なトップダウンが必須であることも強調されている。
パネルディスカッションの中で小林さんがおっしゃっていた内容で首肯させられたのは、企業が大学に即戦力を求めるのなら企業側もタコツボから抜け出す必要があるという主張だ。小林さんの会社ではベトナムでの開発を積極的に進めているらしく、そこではITILの言葉が普通に通じる。よって大学は学生に標準的な知識を身につけさせることに専念できる。ところが日本では運用の言葉や方式が会社ごとに大きく異なり、それができないという。
PMIセッションの鈴木さんの話は、突き詰めるとITILもPMBOKも同じことを言っているという結論になるのだが、2点ほど興味深い話題があった。
現在の日本では、システム関連文書の4割ほどが不完全であるという。米国の要件定義書などが非常に分厚いものであるのに対して、暗黙知で乗り切ってきた組織文化が原因として大きいそうだ。しかし、2006年に初めてIT発注に関係する裁判が判決まで行ったように、今後はそれではダメだろうとのこと。
もう1点、日本では「標準」(Standard)という言葉が「規制」(Rule)という言葉と混同されているという話があった。標準は従う必要のあるものではなく、標準以上にうまくやることを妨げるものであってはならない。幅で管理することが重要だという。これについては、深く納得のいくところだ。
ちなみにITILにせよPMBOKにせよ、今後は他の標準との連携を深めていく方向で改訂が行なわれていくそうだ。ITIL 2011の日本語版は、今年11月までに出したいとのこと。またPMBOK 5では知識エリアが1つ増えて10になり、ステークホルダー管理が独立する。プロセスの数も47まで増えるという。
昨年の暮れ、自宅のBフレッツ回線(マンションタイプ)が使用できなくなった。症状は2010年6月に発生したものと同一で、VDSLのリンクが数分おきに切断される。ちなみにその際は屋内配線を張り替えてもらって解決した。
電話契約もひかり電話にしたため電話も利用できないのだが、携帯電話がある現在では特に不便はない。むしろ、ひかり電話契約を行っていると電話サービスの故障と判断されるので、24時間受付可能な113が使える利点がある。今回は土曜の夕方に発生し、日曜に修理担当者を派遣してもらった。
作業員と話をすると、MDF(主配電盤)とIDF(中間配線盤)との間で通信品質が落ちているらしい。対処方法は単純で、別の銅線につなぎかえるという。結果、確かにリンク切断は発生しなくなった。ただしリンク速度は変化して、それまでの上下100Mbps / 80Mbpsから、上下75Mbps / 100Mbpsになったという。下りが速いほうが望ましいし、実質的にそれほどの速度は出ないので、了承した。雑音の大きな周波数帯を尋ねてみたのだが、わからないとのことだった。
フレッツ光のサービスのSLA上の稼働率は99.7%という。契約では、1年間あたり1日ほどの利用不可能な状態は許容すべしということになる。丸1日障害が続いた状態が2010年に1回、2011年に1回と、まさにそのような状況になっていて、このこと自体には文句はない。ただ、貸与されているルーター(RV-A340SE)は以前借りていたADSLルーターと異なりVDSL回線の品質を確認する機能がないし、リンクが切断されてもログに記録されない。この点には不満がある。
名称の上では光回線であってもVDSL接続型のマンションタイプ(マンションの多くがそうである)であれば、その信頼性はADSLと大差ない。配線が貧弱な場合には、特にそれが言える。私の住まいも転居当初の屋内配線は2芯平行線で、回線速度も30Mbps弱しか出なかった。それを考えると、CATVで使用される同軸ケーブルは電話線より信頼が置けるので、CATVインターネットの既設マンションへの導入は好ましいと言える。私が書くとポジショントークのようになってしまうが……。
ひさしぶりに時間ができたので、さくらのVPSを使って何かできないか考える。このサーバーは学校のレポート課題のために夏に借りたまま、解約するのも面倒なので放置している代物だ。もともとCentOS 5.6(64bit)が載っていたが、Ubuntu Server 10.04 LTS(32bit)に交換している。
OpenLDAPかOpenVPNあたりで遊ぼうと思っていた矢先、PacketiX(旧SoftEther)がUT-VPNとしてGPLv2ライセンスの下で公開されていることを知る。PacketiXを搭載した組込機器の実演を見たとき、SSL-VPNから想像していたほどには性能が悪くなかったので、少し興味があった。
UT-VPNは、ソフトウェアの仮想ハブと仮想LANカードとを組み合わせてネットワークを構成するパッケージだ。この仕組みを使えば、異なる拠点にある複数台のPCが、あたかも同一のLANに属するかのように疎通でき、その間の通信は暗号化される。

模式図で表現すると上のようになる。緑背景の場所と赤背景の場所とは物理的にも異なるネットワークだが、UT-VPNが青背景の仮想ネットワークを形成する。仮想ハブをインストールするPCにはグローバルIPアドレスが必要なので、固定IPアドレスが付与されたサーバーを使うと都合がよい。一方、仮想LANカードには任意のIPアドレスを割り当てる。IPとは別のプロトコルを利用するなら、IPアドレスを割り当てなくともよい。上図では、192.168.30.0/24のネットワークをVPNで利用することにしている。
Windowsへのインストールはバイナリが用意されているので、特に準備は必要ない。Ubuntuへのインストールは、「PacketiX/UT-VPN on CentOS/UT-VPNに関する基本的なメモ」に従う。今回その過程で、checkinstallというソフトウェアを知ったのは幸運だった。
次に設定に移る。Server(仮想ハブ)側の設定はCLIでも行なえるし、WindowsソフトウェアからGUIで行なうことも可能だ。「Linux(CentOS5)にUT-VPNを入れてみた」の後半部分に、画面写真つきで設定方法が紹介されている。Client(仮想LANカード)の設定では、特に迷うところはなかった。個人的にはまったのは、Windows Firewallで443番ポートを開けておくのを忘れていたため、なかなか疎通ができなかった点だ。
UT-VPNに向いていると想像されるネットワーク構成は、小売業における拠点と店舗との関係のように、一方の拠点の接続台数が数台程度と小さい場合だ。本社・支社のよう大規模な拠点間通信には広域LANでもペイするだろうし、中規模ならフレッツ・VPNワイドの守備範囲になる。UT-VPNは、費用対効果の関係から従来なら導入が見送られてきたような環境に対してもVPNを可能にする点に意義がある。
もう1点挙げるなら、極めて安価になったVPSサービスを容易にLANに組み込める点も評価できる。UT-VPNにはローカルブリッジという機能があり、仮想LANと既設LANとを接続することができる。
なお、VPNそのもののについては、貝沢亮介「VPNプロトコルの方式と評価」がよくまとまっている。
バッファローが提供するRAMディスクユーティリティは、Internet ExplorerやFirefoxのキャッシュとしてRAMディスクを使用する設定をワンクリックで行なえる。バッファロー製のメモリーを使用していなくても256MBのRAMディスクが作成できるので、私はFirefoxのキャッシュ専用に利用している。
RAMディスクに保存させれば書き込み・読み込みのディスクI/Oが減少するだろうと期待していたのだが、リンク先によるとログを延々と書いていくという。調べみると、確かにそうなっていた。リンク先に従ってINIファイルを変更し、ログを書き込まないようにする。
FirefoxのキャッシュとしてRAMディスクを使うと、ブラウザーが気持ち軽くなる感じがする。念のため、「キャッシュを消去するには」にあるとおりキャッシュ最大容量を240MBにしておき、溢れを防止しておく。ちなみに、IEのキャッシュとして使用する設定にすると、私の環境では各種Office 2007/2010アプリで保存ができないエラーが発生する。
デスクトップPCにSSD(Intel SSD 510、120GB)を増設した。ユーザープロファイル(C:\Users)は元のHDDに、その他システムやアプリなどはSSDに格納するように設定したい。そのためには多少の設定を要する。
基本的には、上記のリンク先に従った。リンク先にもあるとおり、C:\UsersをD:\Usersのジャンクションとすると、SugarSyncのファイル変更検知が効かなくなる。同期ができなくなるのはWindows Live Meshでも同様だった。
この問題を回避するには、常用ユーザーアカウントを作成する前にレジストリで「ProfilesDirectory」の値を「%SystemDrive%\Users」から「D:\Users」とし、ユーザープロファイルのパスをHDDとしておく。このことは、「SSDへのWindows7のインストール」に詳しい。
なお、SSDの信頼性は十分に高いと私は思っていて、プロファイルのパスの移動は書込回数減少ではなく容量確保が目的だ。心配性の方の中にはページファイルをHDDに移す人もいるが、その使い方はもったいない。「SSD上に配置するのにページ ファイルより適したファイルはほとんどありません」とMSDNでも指摘されている。
企業情報システム内におけるSAPの位置づけを私なりにまとめると、次のようになる。
かつてERPパッケージが持てはやされた頃には、SAP単体で自己完結するシステムが想定された。しかしネットワーク技術の進展によって複数システム間の連携が志向されるようになると、SAPは独自プロトコル(Remote Function Call)を提供して他システムから接続できるようにし、餅は餅屋とばかりに苦手分野(物流やI/Oなど)を切り離せるようにした。全機能のうち会計部分だけを使うのであれば、SAPのような高価なERPパッケージを導入する必要はないのではないか――という想定される批判に対しては、各システムからSAPに接続することでSAPが全社統一の情報蓄積基盤となるという利点を挙げて反論する。すべての基幹業務を請け負おうとしていたところから守備範囲を狭め、会計データを中心したMaster Data Managementの拠点としての役どころを得ようとしているのだろう。
しかしながら、この点についても他の選択肢はありうる。本当にSAPが共通データ基盤になりうるのか。利用者は自分に必要なデータなら真面目に整備するが、そうでない部分には関心を持たなくなるという「共有地の悲劇」のような現象が発生し、結局は汚いデータが格納されはしないか。また、SAPは確かに標準でかなりのデータベースが構築されている(SAP ERP 6.0で、透過テーブルと呼ばれる一般的なテーブルだけで8万弱ある)が、それでもカバーできない分野は発生しうる。それなら、統一DBをSAPに担わせるのではなく、DBは各システムに持たせたままでインターフェースに特化したミドルウェア(Enterprise Service Bus)を導入することを検討すべきではないか。
とはいえ、ESBに対応した会計システムとなるとSAPは筆頭に上がってくるし、J-SOX法に基づく監査が必要な公開企業では、著名なパッケージを使っているほうが楽だという点はある。内部統制の仕組みも合理的にできている。だから大企業が使用する会計システムとしては間違いのないものだと思うが、「共通データ基盤」となってくると、ERPが世間にもたらしたものと同じような幻想で終わってしまうのではないか。データ基盤というのは、そんなにやさしく統一できるものではないと私は思う。
「ルパン三世」の作曲家として著名な大野雄二さんのブログ。古希にしてこのテンションは半端ない。
大阪で英語を教えているKさんから質問を受けた。wonderfulという単語はabsolutely wonderfulと強調するのが正しいが、口語ではvery wonderfulとも言う。実際の使用頻度はどのようなものなのか。
上のような問いを調べるなら、品詞情報を含めて検索できるコーパスが便利だ。Corpus of Contemporary American Englishは1990年から2011年までのテキストが4億語以上収録されていて、無料で使用できる。使い方については、たとえば「COCA の使用方法について」がわかりやすい。
COCAを使って副詞+wonderfulのパターンで検索してみると、wonderfulに前置する副詞は多いものから順にhow、so、most、just、really、absolutely、veryと並んだ。absolutelyもveryも、どちらもよく使われるようだ。我が国には『英和活用大辞典』という労作があるが、COCAはその役割をも果たしてくれる。
根本祐二『朽ちるインフラ』(日本経済新聞出版社、2011年)で興味深く思ったのは、各自治体を例示する際に挙げられていた人口コーホート分析である。これは、5歳階層別人口を5年前と比較し、その階層の移動をプラスマイナスで表示したものだ。これをグラフ化することで、たとえば○○市は学生街だから学生は取り込めているが社会人になると町を離れており、引き留めに失敗している――といったことが読み取れる。
「まちのちから」は町村ごとに年齢別人口が表示される便利なサイトだが、人口コーホート分析までできると非常に有用だと思う。
根本 祐二
日本経済新聞出版社
発売日:2011-05-25